ロータス

誰かと生きてゆくこと、名づけられない関係を結ぶこと……
「好き」という感情だけのつながりは、何故こんなにも儚いのだろう?
幼稚舎から大学まで一貫の名門・私立華胥女子学院を縁に蓮実と出会い、関わり、行き過ぎていった少女たちの連作七篇を収録。

ずっとこのまま、完璧に幸せなままで、いられたらいいのに――
五月の晴れた日曜日、桃重は大学生になってから疎遠になっていた蓮実とピクニックに出かける。
かつての親密さを取り戻して二人で過ごした幸福な一日の終わりに、それでも不安になるのはなぜだろう? ――「ロータス」

「僕たちだけは変わらないでいよう」
少年どうしの純粋な友情に憧れる桐は、同級生・李里と親交を深め、OBの蓮実に惹かれて入った演劇部で理想の少年を演じることに熱中する。
永遠の友情を誓いあった桐と李里だが…… ――「リップスティックのL」

叶わない片想いの果てに失恋を繰り返し「修道院に入る」が口癖の菫子と、彼女を慕う後輩の紫苑。
ついに本気で神の花嫁への道を模索しはじめた菫子につきあって教会に通ううちに、菫子と一緒なら修道生活も悪くないと紫苑は思い始める。 ――「シスター」

ランジェリーを買うことに抵抗のある女子大生・ゆりのは、雑貨屋のような下着屋ブーケドゥリスで美人店員・桃重を通して彼女の友人・蓮実の家で「おとめ下着パーティー」をすることになる。
古い一軒家にひとりで住み、三十を過ぎて少年のような体つきの蓮実に、ゆりのは惹かれていく。 ――「リリイ」

「男装の麗人」はいつか必ず生身の女に戻るしかないのか?
美しい王子の姿のままで、幸せになることはできないのか?
ライヴ会場で出会った蓮=蓮実に憧れてゴス・ファッションになり男装で通す茉莉花は、ロリータ男子の柊と結婚することでその答えを出そうとするが…… ――「トランスヴェスタイト/クロスドレッサー」

浮いた服装で、手の届かないミュージシャンに憧れて、自分だけがいつまでも取り残される……
焦りと諦めを抱えている美桜が、結婚を控えた幼なじみの知映理に聞かされた意外な言葉。
2012年、あの震災から一年が過ぎた春の東京。 ――「ライフ・イズ・スパイラル」

母の茉莉花と大喧嘩し、親友・柘榴との関係も微妙で居場所がなくなった沙羅は、卒業生名簿を頼りに蓮実の家を訪ねる。
居候させてもらった古い一軒家の屋根裏で、深夜の浴室で、沙羅は意外なものを目にする。
柘榴の家には、柘榴が血の繋がった親よりも懐いている老女・桃重が暮らしていて…… ――「ロータス2」

『ロータス』感想まとめ

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