/ 3月 5, 2019/ 舞台

ファントム
宝塚歌劇団 雪組
2019.1.24 東京宝塚劇場/2019.2.10 千秋楽ライブ・ビューイング

 ※記事中で物語の展開および核心部分に触れます

 奇跡的にチケットが取れて雪組の「ファントム」を生観劇することができました。
 私はもともと、2014年の花組「エリザベート」で明日海りおさんのトートに殺されたのがきっかけで宝塚を観るようになったんですが、そのときかつてヅカにもハマっていたというスレイヴ友達に「ヴィジュアル系好きはエリザベートは必修、次はファントムだから」と言われて「そうかヴィジュアル系好きなら次はファントムか……」といつかは観たく思っていました。
 なので今回、望海風斗さんと真彩希帆さんのコンビで観られることがものすごく嬉しく、とても楽しみでした。ずっとチケットが取れず、ライブ・ビューイングでしか観たことがなかった雪組をようやく生で観られるというのも嬉しかった。

 望海さんと真彩さんの歌がとにかくすごすぎて、一曲めからやられてしまいました。歌に圧倒されるときって、技術だけでなく歌声にこめられた感情とか魂とか、いろんなものがガツンとぶつかってきて動けなくなってしまう感じなんだけど、そういう瞬間が何度もあった。
 どの曲も素敵だったけれど個人的には「Where In The World」がいちばん好きで、だいぶ序盤から泣いていました……
 クリスティーヌの名を呼ぶ望海さんの絶唱、ほんとうに凄まじかった。

 ヴィジュアル系好き必見、といわれた理由も始まってすぐわかりました。舞台装置も大道具も小道具も好きすぎた……エリックのピアノとか、マリスミゼルのステージにあってもおかしくなかったよね……
 望海さんはいつも美人さんだなあと思いつつ見ていますが、今回あまりにもヴィジュアルがストライクで好きすぎて大変でした。衣装も仮面も髪型も何もかもがドンピシャだった……。作中では化物のように醜いと皆に言われるエリックの顔を、エリックの母だけが「美しい」というのですが、私にもめちゃくちゃ美しく見えるしもうエリックの母としかわかりあえない……と思った…
 ヴィジュアルは朝美さんのシャンドン伯爵も最高でした。朝美さん、いつ見ても顔が綺麗すぎておどろいてしまう……

 真彩さんは歌ももちろん素晴らしかったけど、お芝居もとても良かったです。台詞を言うときもきれいな澄んだ声で、クリスティーヌの清純さも残酷さもよく伝わってきました。
 あんな可憐な声で「素顔を見せて」って歌われたらもう絶対見せるよね……誰であろうと抗えるはずがない……。からのあの展開、胸が潰れそうになりましたが、でも、ああなるよね。人間の残酷さというのはああいう部分だと思う。

「オペラ座の怪人」は過去に一度ロンドンで観たものの、時差ボケによる睡魔と言葉の壁で、急に死体が出現する場面とシャンデリアが落ちる場面しか覚えておらず(すみません)、はじめてストーリーを理解しました。こんなに悲しい話だったとは……
 エリックがどこまでも可哀想で……望海さんのエリックはとくに無垢で無邪気な少年を感じてたまらなかったな。「このオペラ座の支配者はぼくだ」とか、クリスティーヌに「ぼくの領地」「ぼくの森」とか言いだすあたりがほんとうに痛ましかった。幼いまま、精神が子どものままだということがよく伝わってきました。
 最終盤の、銀橋でのエリックとキャリエールの場面が切なすぎました。

 あまりによかったので観劇後しばらく放心してしまい、ライブ・ビューイング(都心からだいぶ離れた映画館の最前列がかろうじて取れた)にも行ってきました。
 LVでも歌の迫力がぜんぜん落ちずに伝わってきて、すごかった!

 劇場で観たとき、私は、最終盤でエリックがキャリエールに「撃って!」と叫ぶ場面は「(僕を捕まえようとする奴らを)撃って」と頼んだのだ、と思っていたんですよね。なので直後のキャリエールの行動に、えっこれじゃいくらなんでも悲惨すぎる……と絶望的な気持ちになり……
 ただ観劇後、同行者から「あれは『自分を撃って』だよ」と言われ、あれ? そうなのかな? とわからなくなりました。
 LVではかなり注意してその場面を観ていたのですが、大千秋楽のエリックはたしかに「(自分を)撃って」と懇願しているな、と感じました。直前の「You Are My Own」でも「いつか僕をあなたの手で安らかに眠らせてほしい」っ歌ってるし……

 エリックが撃たれてからの展開も、生で観たときはあまりに動揺していたのかほとんど覚えておらず、LVでようやく、ああ最後にクリスティーヌはあんなに慈愛に満ちた表情で、エリックを受けとめていたんだ……とわかりました。
 クリスティーヌにもキャリエールにも、心が通じ合った次の瞬間に裏切られてあまりにもむごい、エリックが可哀想すぎると思っていたけれど、ただただ可哀想なだけでもなかったのかも……とLVを観たあとには思えました。

 あとLVでは彩凪さんがシャンドン伯爵、朝美さんがショレのヴァージョンを観られて、劇場では逆だったのでよかったです。
 朝美さんはショレみたいな役もハマるんだ……! と思ってびっくりしてしまった……髭をつけても美形ですね……。
 彩凪さんのシャンドン伯爵はイケメンだしモテるけどあまりチャラチャラしてなくて、クリスティーヌに対しても熱血! 誠実! という感じがしました。

 フィナーレのデュエットダンスのハグがあまりにも尊かった……
 望海さんのカーテンコールの挨拶は結構ちゃんとしている印象だったんだけど、ふわふわしていてかわいかったですね……。
「ファントム~、閉幕!」がかわいすぎて最後の最後まで大変でした。

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