胡蝶


胡蝶

2006.11.12 第5回文学フリマ発行(改訂版)
コピー/A5/60頁/200円/表紙 マーメイド(オフホワイト)

 同じ少女の夢を繰り返し見る青嗣と人形のように着飾って夜毎散歩に出かける春生のきょうだいと、春生が恋する無名のバンドのヴォーカリスト・セイイチをめぐる短篇。60枚ちょっと。
 春生がまり子と出会ってセイイチを好きになるまでのお話「夢のなかで、ふるえながら」も収録。 →立ち読み

 恋愛不全×現実逃避×バンド依存(=きもちわるい)。麻子のお約束となりつつあるこの図式から早く脱出したいです……切実に。
 ……というのが04年のコメントですが、ようやく書き直しを終えた今となってはむしろ、この材料で書けることはあらかた書いてしまったような気もしています。結構手を入れたつもりですが、読み返した印象が改稿前とあまり変わっていなくて複雑な気分です……
 暗黒大学生活中からあたためていて、書きはじめたのが3か月でギブアップした悪夢のOL見習い期間中、……間違いなく今よりひどい精神状態でできたお話なので、いま読むと違和感をおぼえる箇所もあるのですが、それはもう、直しませんでした(正確には直せませんでした)。つくづく自分救済のために書いたんだなあと……

 基本的には、バンド(特に90年代のいわゆるヴィジュアル系)に入れ込んだことがある人(笑)だと共有しやすい世界の話、ではあるのですが、行き場がなかったり、避難場所のはずのフィクションにさえ拒絶されて傷ついたことがあったり、という経験をした人なら誰でもわかってもらえるのではないかなあ、などと図々しく思います。

 カップリング(「夢のなかで、〜」)のほうは、メモにも書きましたが、バンドとファンの物語を書きたい、と思い始めたいちばん初期の文章が作中に入っています。軽く十年以上前の文章です……ロックとかライヴとか、「バンド」にまつわる諸々に初めて出会ったときのあの感じは、いまの私にはもう書けない……(笑)
 わりと書きたいことを素直に書けたし、何より書いていて非常に楽しかったお話です。

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